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  再びこんにちは、ヨシノの友だちの「きん」です。
  前回の記事 に続いて、最終回を迎えた木曜ドラマ「ラスト・フレンズ」のおはなしをします。「性同一性障害」(GID)についての基礎知識は、前回を見て下さいね。


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 再びコンニチハ、「珍念」です。
 長澤まさみさん演じる「美知留」に対して暴力(DV)を振るっていた元恋人の「宗佑」(錦戸亮さん)は、自殺するという結末を迎えましたね。でも本当は、DV加害者が自分の間違いについて気づくことって、とても難しいんですよ。


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 そうですね……。「愛しているから、いつどこで何をしているのか気になって当然」「恋人なら多少の暴力も許される」という考え方は、なかなか、なくならないようです。「加害者更生プログラム」の取り組みもあるけど、効果を上げるのは難しいというのが実態です。
 逮捕されたり、「被害者に近づいちゃダメ」という命令を受けても納得できず、「自分は悪くないのに」と思って被害者につきまとったり、ついに殺人事件に発展……というケースもあるんです。


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 ハイ。加害者から隠れることが難しい被害者のために、駆け込み寺になる秘密の「シェルター」を用意している団体もあります。気になる人は検索してみてください。



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 さてさて、上野樹里さん演じる「岸本瑠可」は、結局、「性同一性障害」なのかどうか。
 それは、「わからない」ということなのだと思います。瑠可は、自分のセクシュアリティ(性のあり方)について言葉に出したり、他の人にはっきり言うのを好まないタイプなんですね。自分自身に対する問いかけも、まだ始まったところと言えます。


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 だから、これからの瑠可は「ボーイッシュな女性」として生きていくかもしれないし、案外「“普通”の女性」になることもあるかもしれない。あるいは、「男性」として扱われることを望むようになるかもしれないし、「どちらでもある人」「どちらでもない人」になるかもしれません。
 どんな人になるかは瑠可次第で、どんな人にでもなれるということなんです。


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 「わからない」、「はっきりしないもんだ」と言われると、何となくモジャモジャしませんか? それはやっぱり、「わかりやすい」ものの方が良い、という世の中の流れがあるからです。「女性か男性か」「同性愛者か異性愛者か」、はっきりわかった方がスッキリするから、つい訊ねてしまいたくなるんですね、「結局どっちなの?」と。


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 性に関することだけじゃなくて、例えば国籍とか、人種とか、宗教とかでもそうです。「お前はどっちなんだ、ハッキリしろ!」「ハッキリ決めろ!」という見えない圧力は、いろんなところにあります。
 2つのうち1つを選ぶように強制される事柄って、たくさんあるんですよね。もしかしたら「第3の選択肢」があるかもしれないのに。


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 うん。このドラマでは、「美知留」の妊娠・出産を通じて、シングル・マザーになるか中絶するか、ではなくて、「みんなで育てる」という選択肢を選びましたね。
 でもその他の点では、結構、「2つの選択肢」に縛られた表現もあったよね。


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 ハイ……。例えば、水川あさみさん演じる「エリ」が、「宗佑」に対して「男なら潔く退きなさいよ」っていうセリフがありましたね。
 瑛太さん演じる「タケル」が自分の過去を告白するシーンでも、「一生マトモな恋愛なんかできない」「男なのに女の人を幸せにすることができない」という表現が出てきました。


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 「瑠可」の性の揺らぎを扱っている割には、「男なら~」「女なら~」という、ジェンダー(社会的な性の規範)がちょくちょく出てきたのは残念でした。「男なのに女の人を幸せにすることができない」という「タケル」のセリフに対して、瑠可は「おまえは女を幸せにできる男だよ」と答えたけど、別に女が男を幸せにしたっていい。または「人を幸せにできる人だよ」っていう答え方もできたわけです。


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 このドラマの感想を見ていると、「瑠可がタケルとくっつけばいいのになぁ」っていう意見も多かったけど、それって「異性愛主義」(男性と女性が愛し合った方がよい)が強いからだよね。「瑠可」が「女の子に戻って」、「タケル」とくっついた方がしっくりくる、判りやすい、安心する(自分の中の規範が脅かされない)っていう気持ちがあるのかも。


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 みなさんはどう感じましたか?
 このドラマの「瑠可」は、あくまでひとつの例であって、「性同一性障害」周辺にいる人たちは、もっともっと多様です。このドラマよりドラマチックな人もいるし、「性同一性障害」と関係があるなんて全然わからない生活をしてる人もいるよ。


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 初めてこのブログに来た方へ、このブログは、性同一性障害医療に対して裁判をしている「ヨシノ」を応援するブログです。詳しくは、こちらのマンガ をみてください。
 では、また次回! 




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