【きになる・さぶかる】 第二回 「東のエデン」(2009年春新作アニメ)

東のエデン公式サイト


2009年4月5日、北朝鮮による「ミサイル」の発射。

私はそのとき、よりにもよって自衛隊の駐屯地にいた。
宇治の自衛隊駐屯地が、敷地内の桜の開花にあわせて
一般開放するのが、ちょうどその日だったのだ。

自衛隊のPXの脇のテレビで報道される発射のニュース。
シートを広げ、バーベキューをしながら、酒を飲む人々。
道沿いに咲く八分咲きの桜と、どこからか聞こえるオカリナの音。
日本のB級映画の終末のシークエンスとしては悪くない。


政府の誤報や対応のまずさをなじりながらも、
「ミサイルが落ちる」ということを想像できないでいる私たち。

そんな大きな事件と私たちの日常との断絶。
でも、それがたとえ「断絶」したようにみえても、
その事件は起こってるし、私たちに影響を及ぼしている。

この春からの新作アニメ「東のエデン」では、
ミサイルが「落ちてしまった」東京の日常から物語が始まる。
私たちと大きな事件との間に漂う妙な空気感をうまく表現される。


監督は、「攻殻機動隊S.A.C.」も手がけた神山健治。
押井守の弟子で、ハードな設定と、その中での日常と
そしてそこにエンターテイメントをうまく混ぜるのが得意な
今の日本でもかなり注目すべきアニメ監督だ。

そしてキャラクターデザインの原案が、
『ハチミツとクローバー』の羽海野チカ。


羽海野の今の私たちを描くかわいらしい絵柄と
現在の地続きに設定されるハードな物語世界との奇妙な乖離は
まさに私たちの日常と大きな事件の距離感を
表現するのにふさわしい演出だろう。


そう、私たちに足りないのは想像力。
もし、「そう」なったら。

大きな事件の展開は
ありきたりな映画の結末を想像するようなものかもしれない。

でも、その出来事のなかを生きる
私たちの日常はどうなるのか。
ちょっとだけでも、それを考えてみてほしい。

(西嶋)


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